【SURVIVE~血と汗と努力の結果魅せる新作”Immortal Warriors”リリースツアー初日のよる・前編:HELL FRFEEZES OVER/HATTALLICA/IN FOR THE KILL】

昨年、結成20周年を祝う大々的なショーを行ったヘヴィメタルバンド、SURVIVE

見事なショー、完璧な王者たる姿を見せつけ、日本に、いや、世界にその名を轟かすSURVIVEの雄姿に、集まったファン皆で拳を上げた。

 

その20周年ライヴ直前にリリースされた、7枚目のアルバム“Immortal Warriors”は、彼らのバンドとしての経験があったからこそ生まれた音であり、ヘヴィメタル愛に満ち溢れた傑作に仕上がった。


SURVIVE – Immortal Warriors Crossfade

 

20周年走り続けてきたバンド初の、約5か月という長期休暇。

心身共にゆっくりと休め、充電。

バンドの中でもライヴへの欲が溢れ出した2019年2月11日より、

このアルバムリリースを祝し、日本中のメタルヘッドの前で披露するツアーが、

ここ渋谷からスタートした。

 

20周年ライヴのMCにて発表されたこのツアー初日。

HELL FREEZES OVER, HATTALLICA, IN FOR THE KILL―その協力過ぎるラインナップにワクワクし、早くこの日はこないかと僕は待ち望んでいた。

傑作を演奏するSURVIVEを観たいのももちろんだが、この3バンドもとてつもなく凄いから。

 

この日の模様を、トップのバンドからラストまで僕なりに振り返ってみよう。

 

【HELL FREEZES OVER】


HELL FREEZES OVER – WRITING ON THE WALL (“SPEED METAL ASSAULT” Tour Last Show, Tokyo, 2018)

完璧、完璧!本当に完璧!

完全にヘヴィメタルはカッコいいんだぞという想いを、来場したオーディエンス皆の心にぶつけてくれた。

昨年リリースしたEP“Speed Metal Assault”の4曲に新曲を織り交ぜた約30分のショーは、この後続く諸先輩方への遠慮もない、自分たちのステージをやってのけた。

まだ20代という若さならではの体力や無鉄砲さ、そして、ヘヴィメタルへの純粋な愛をこれでもかと見せつけたショー。

セットの緩急も、フォーメーションも上手く、自分たちの特徴となりたいバンドとしての姿をしっかりもっているから、観ていて一瞬たりとで、退屈な瞬間は無かった。

 しっかり研究し、練習している。

彼らの素晴らしいところは、自分たちの大好きな音楽を、流行に流されず純粋に愛しているところだ。

僕も32歳という年齢の為、学生の頃流行っていたのはHIP-HOP。メタルを聴く同級生はほとんどいなかったが、そんな僕よりももっと若い彼ら。メタル好き、クラシックなロック好きな友達はほとんどいなかったと想像できる。

しかしどうだ、このパフォーマンス。

しっかりとロックの歴史を聴き込み、ハードロック・ヘヴィメタルがメインストリームだった80年代の音、それ以前の音も聴き込んでいる。きっと学生の頃も楽器の練習に明け暮れたのだろう。

純粋に直向きに、流行や周りに流されず、愛する心。

そして自分たちが大好きな音で、一人でも多くの人を楽しませようと、バンドの見せ方をとことん研究し、笑顔でパフォーマンスする…

 

彼らの作るライヴハウスの空気は、ステージもフロアも、楽しいという言葉でいっぱいだ。

 

 よくある誰かを潰す、対バンを負かすではなく。

会場にいる皆とヘヴィメタルで共に笑顔になろう、楽しもうっていう平和な空気を作り。

ヘヴィメタルへのピュアな愛を、今日この夜、ライヴハウスに集った者の心にこした。

 

【HATTALLICA】


HATTALLICA Master of Puppets

ヘヴィメタルモンスター、METALLICA。

1990年代に全米アルバム総売り上げ4位、2016年までに世界中で1億1000万枚を記録する、35年以上に渡り、世界を魅了し続けたモンスターバンド。

(参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%AB

このようなアグレッシヴで、攻撃的な音楽にも関わらず、ちゃんと世界中で認められ、支持され、世界中の巨大なアリーナ、スタジアムでプレイされるのだから、ヘヴィメタルも立派な音楽である。

METALLICAのファンは無数にいる。

もちろん、ここ日本でも、だ。

 

しかしながら、そこまで超弩級なバンドになると、そう簡単に来日できず、日本公演も長らく実施されてない。

新譜がリリースされたのに、隣の韓国でライヴをやったのに、

日本には来なかった。

 

そんな時、僕らファンの欲求を満たしてくれるのが、カバーバンド。

それも本家METALLIAから公認を受けているのだから、ホンモノの音を届けてくれること間違いない。

Kirz Hammet氏のリードギターは振る舞いもソロもカークソックリ。

Minolson Newsted氏の威圧的なベースピッキングに、表情と声で魅せる怒号のコーラスはジェイソンそのもの。

James Hirofieldは、本家METALLICAのジェームズさながら、声とパフォーマンスでヘヴィメタルヘッドを先導するフロントマンだ。速いギターリズムも正確でブレることなくいのも、風格ある声も、表情にも安定感がある。

 

“Battery”, “Creeping Death”, “Seek and Destroy”という定番曲から、“Trapped Under Ice”というカバーバンドだからこそできるレア曲。そして最後は“Master Of Puppets”と、メタルヘッド誰もが大好きな初期メタリカナンバーの連続で、どの曲でもオーディエンスは大合唱。

僕らメタルヘッドは皆笑顔になり、ヘヴィメタルが大好きなんだと再認識し、心は高鳴っただろう。

おっと、1人忘れていた。

ドラムスのHitoshi Urlichは、しっかり丁寧に、曲を再現していたし、彼のおかげでバンドのグルーヴはまとまり、一つの大きな塊となり、攻めてきたんだが。

実際、METALLIAがリズム丁寧に攻め込んできたら、HATTALICAのような音になるんだと、僕はひとり心の中でニンマリとしていた。

 

HELL FREEZES OVERがこしたピュアなヘヴィメタルへの愛を、

HATTALLICAは、ダイナミックなヘヴィメタルクラシックで次のIN FOR THE KILLへ継し。

また、ハードロック・ヘヴィメタル史に刻まれる攻撃的でドラマチックな音楽を。

この夜、この渋谷のライヴハウスへ、伝した。

 

【IN FOR THE KILL】


IN FOR THE KILL : CHAOS (Official Music Video)

溜まりに溜まった怒りを殺傷力満点のヘヴィメタルでぶった斬るカタルシス…

 

ずっとずっと感じたかったパワーは、これだ!

 

IN FOR THE KILLがまだ誕生したばかりの2013年。

錦糸町Rebirthでのライヴを、僕は偶然にも観ている。

その頃は、今とは違うドラマー。

気迫やキレのいいリズムを感じたものの、まだまだ手探り、といったところであった。

 

4年後の2017年。

満を持して生み出された1stアルバムは、発表前から楽しみにしていて、インタビュー記事を読んではワクワクし、期待を胸にしていた。

確か発売後すぐに買ったそのアルバム、”IN FOR THE KILL”は、手にしたその日から今まで、もう100回以上聴き込んでいる。

 

不甲斐ない自分に悔しくなり、もっと強くなりたいと感じた時。

仕事で、生活でムカつくことがあった時。

もっと強く大きくなろうとトレーニングする時。

ジョギングしている時。

強くなろうと腹を決める時。

 

いつも聴いているヘヴィメタルアルバムの一枚。

IN FOR THE KILL

 しかしタイミングが合わず、なかなか観る機会が無かったのだが、やっと今夜観られる。

約1年3か月聴きまくった音をやっと、体験できる。

 

SURVIVE20周年のワンマンで、ツアー初日渋谷サイクロンでの詳細が発表された時。もちろん、HELL FREEZE OVERやHATTALICAにも心躍ったし、上述の通り楽しんだけれど、IN FOR THE KILLの発表は心底嬉しかった。

 


IN FOR THE KILL – In For The Kill [teaser]

 

 

約30分強のパフォーマンスは、僕が想像した以上、期待を遥かに上回るものだった。

怒りやパワーが全開で、メンバー4人誰もがアクセル踏み込み、奥歯噛み締め力いっぱいに鬼の形相で、音で全てをぶった斬る。

重く黒いシンプルなギターで渋く重く速く斬り込むRyosuke氏。特にスローなパートにおいて、大きな体全体でバンドの世界に浸りギターを揺らす様が、孤高の武士のようだった。

僕はヴォーカルとベースの間に陣取り、最前で堪能していたのだが、そこでブルンブルン僕の身体にぶつかってきたのは、ベースの波。音を感じ、目を見開くと、ベースの太い弦の揺れが見えた。

 

生の音、これだ!

作り込まれた機械じゃない、生の音がほしい!

演奏する姿を観られるのは、ライヴに参加した者の特権だが。

それを特に感じたのはドラムス。

こんなトリッキーなリズム、複雑なことをやっていたのかと感じ、フロントで暴れる3人の向こうで直向きにドラムを叩く姿に、じっくりと見入った。

 

鬼気迫る表情で空気を切り裂くようなシャウトを聴かせるヴォーカルはIna氏。

表情、声、身体いっぱいにシンプルに攻め込むその姿は、カリスマ性に満ち溢れている。

タイトルトラックで聴けるが実は低音も魅力。

次回作ではそんな低音を押し出した、ブルータルな曲も加わったらより一層アルバムの幅も広がるし、面白くなりそうな…と一人妄想。

 

ラストはなんと新曲!

1stアルバムも速い曲だらけだったが、それを超える速さじゃないか?

中間にミドルテンポのグルーヴパートもあり、カッコよさこの上無し!

 

この5月には主催企画も決まったとのこと。

今後の活躍ももちろん、追いかけていこうと心に決めた素晴らしいヴァイオレントショーだった。

(参照:https://twitter.com/INFORTHEKILLJP/status/1095282236759236610

 

HELL FREEZES OVERがオーディエンスの心にこしたピュアなヘヴィメタル愛は, HATTALLICAが継し、最大化。IN FOR THE KILLは、その愛を闘争心へと、ヘヴィメタルの要素の一つ、怒り剥き出しのパワーへとじさせた。

そして、本日のメインアクト、SURVIVEが登場する。

 

SPEED METAL ASSAULT

SPEED METAL ASSAULT

 
IN FOR THE KILL

IN FOR THE KILL

 

  

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この記事を書いた人
音楽ライター「監督」

音楽ライター。昭和の末に生まれ、平成の大阪で育ち、革ジャンを羽織り、ロックシャツを着て、ベルボトムに下駄で東京の街を闊歩する。「音楽は耳で観る映画」をテーマに、音楽から感じるイメージを文章にし、ライヴレポートやライナーを書いています。

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