【DIRTY THIRTY】「不良」はカッコえぇ!いつの時代も、いくつになっても… ~2017年11月10日ell FITS ALL~

 

DIRTY THIRTY

「不良」はカッコえぇ。

いつの時代でも。いくつになっても。

「不良」はモテる。

真面目な奴、勉強できる奴も凄いが、やっぱモテるのは「不良」。

女性だけでなく、男性からも惹かれる「不良」は、もうパーフェクト。

元気が良くて、仲間思い。

笑顔がカッコよく、自然体。

何があっても焦らず、動じず。

しっかりとした、太い信念を持つ。

根性があり、自分の決めた道を猪突猛進。

学生時代はもちろん、「ちょい悪」という言葉があるように、中高年になっても「不良」はモテる。

年齢を重ねた分、「不良」にも厚みが出て、円熟味が増し、一層カッコよくなる。

男にも女にも優しい。

社会のルールに惑わされず、自分の考えを大事に、自分の心に従って行動する反骨魂。

仲間を思い、人生を心から楽しむ…これが、大人になった「不良の流儀」かな。

僕は不良になれんかったな~。

しかし、今もなおめっちゃ憧れている。

さぁ、今回紹介するのはそんな「不良」。

男も惚れる「不良」の4人組。三重の四日市を拠点とする、ちょい悪バンド、Dirty Thirty

彼らがいかに「不良」か、いかにカッコえぇかを。

昨年末名古屋で観たショーや過去に新宿で観たショー、CDを基に話そう。

ちょい悪バンドゆえ、ビールでも呑みながら、気楽にどうぞ。

「不良」ポイント①~全てを曝け出すオープニングに、登場SEは不要!~

通常、ライヴのスタートはこう。

セッティングして軽く音合わせて、暗転。

緞帳(どんちょう)が上がったら、SEが流れ、会場を本番の空気に変え、メンバー登場…。

しかし、Dirty Thirtyは違う。

過去に観た2度のショー、2013年の新宿と2017年の名古屋。どちらもジャムセッションからのスタートだった。

音合わせは緞帳の裏でやらず、全部お客さんに見せる。普通なら準備中だからと見せないのに、全部、自分たちの等身大の姿を披露する。

やること全てに自信がある表れ。

音合わせで一旦けることなく、バンドの呼吸を合わせたらそのままスタート。

「SEやら暗転やら、そんな“お行儀”など知るか」と言わんばかりに。

音合わせでのジャムは練習風景であり、またスタジオでの作曲風景だが、このバンドはジャムが音源化できるくらいにカッコえぇ。

曲としては成立してないが、ロックのカッコよさは十分放っている。

オーラというのかな。

また、現場でお互いの顔を見ながら、お互いの音を聴きながら、楽器一つ一つの音を重ね、積み上げていくその作業は、

「これから始まるステージの音に嘘、偽り無し」と証明している。

バンドメンバーの表情を見ていくと、皆えぇ感じの笑顔。

それぞれの生活から一旦離れ、昔からの「仲間」へ戻っていくかのよう。

そして4人のおっさんがバンドへと666%戻った瞬間、本編がスタート。

「不良」ポイント②~既発曲でなくても、ショーを成立させたる!~

2017年11月。名古屋で観たショー。

1曲目とラストは、現時点での最新作である、2012年リリースの1stアルバム”Unconscious Violent Behavior”から。

他に3~4曲演奏されたが、それらは全て現在制作中の新譜からの曲。勝負に出た。

しかし、「不良」な彼らはそんなことは気にしない。

息の合った4人の演奏は、見事にオーディエンスをロックンロールさせ、聴くものを改めて惚れさせた。

そのショーの中身はどうか…

「不良」ポイント③~自分の決めた「道」を究めたパフォーマンスで魅せる!~

不良だからと言って、薄っぺらい、チャラい音ではない。その道を徹底的に極めた、大人の不良サウンド。見た目も音も太い。

その佇まいはどっしりしたもので、息が合った演奏は、4人各々のへヴィな音が掛け算となり、更にへヴィになる。

ドラムスは終始笑顔で楽しんでいるし、軽快なリズムでバックからバンドを支える。

ベースは頭を振って、身体を大きく揺らせ、指を弦の上に躍らせる。

そしてこのベーシスト、職人気質。

楽器は5弦ベースで音に拘っているし、MCも取らず前には出ないが、両足を地に、しっかり自分の世界に入って、筋肉質で、静かな体育会系といったカッコよさを秘めている。

時折メンバーを見ては微笑む、その仲間意識も大事。

このリズム隊は、大きくアクションを見せるも、決して弾きまくることなく、ぶれることもなく、楽曲主義。

曲を大事にしているのが重要。身体でしっかり演奏し、曲のワイルドさを観客の目にも焼き付けている。

そのリズムの上に、ロックンロールなリフ、速く刻むスラッシュリフを乗せ、観客を躍らせる2本のギター。

信頼のおける仲間による「乗れるリズム」の上を、時にソロイストとしてそれぞれが気持ち良さそうにソロを弾き、時にツインリードとして2人同じメロディーを綺麗にかましてへヴィメタルの醍醐味を楽しむ。

この2人、ソロは対照的。

上手かみての萩さんは様式美。

構築されたかのようなドラマを見せ、へヴィメタルなソロを情感豊かに弾く。

一方、センターでギターヴォ―カルを取る鈴木さんは、直観型。気持ちの赴くままに渋くロックンロールに弾き倒す。

2人は衣装からして異なる。萩さんは黒とレッドウィングのブーツで綺麗にまとめ、鈴木さんは、MC5のTシャツでキメる。

音の違いはここからも分かる。

余談だが、この文章は何稿も書き直している。

恐らく最終稿になるだろうという今、そのMC5を聴きながら書いている。

1969年のデビュー作にしてライヴアルバムの1st。

これが、爆音へヴィロックンロール、反骨魂満点のアティチュードに惚れる。

好きなバンドが好きな音から学ぶ。Tシャツからも新たな音楽、自分に合った音楽が学べる。

こうして、タイプが異なる2人のギタリストだが、共通点もある。

ただ弾き倒すのではなく「心」「渋さ」「味」を醸し出す。それぞれ独自の美学を感じられるギタリストだということ。

「不良」ポイント④~遊び心を忘れない~

へヴィメタルでいうと、彼らは様式美を持ったスラッシュメタルというジャンルに分類される。

スラッシュメタルとは簡単に言うと、速く、攻撃的で過激なへヴィメタル。しかし彼らには、その範疇に留まらない遊び心がある。

1stアルバム

Unconscious Violent Behavior

で聴ける、遊び心は、次の3点。

こういったジャンルではこれまであまり見受けられなかった試みを実践している。

(Ⅰ)ブルーズに源流を持つ、『スライドギター』でキメるMVとなった曲“Trust”。

DIRTY THIRTY / TRUST (PV/2012)

(Ⅱ)”The Other Lies“という1曲目のインストゥルメンタル曲は、完全なるへヴィメタルの様式美。

一方で、カントリーのような陽気なインスト曲の”1949”を7曲目に置く。

その結果、1~6曲目までがA面、7~12曲目までがB面という、まるでレコードを思わせるスタイルの完成。

(Ⅲ)B面インスト後のギターと自分の声を混ぜるトーキングモジュレータ―でキメる“Mojo

DIRTY THIRTY / MOJO (LIVE / 2012)

恐らく鈴木さんのロックンロール魂、そして萩さんの、幅広い音楽知識が活かされた結果であろう。

そう、萩さんはハリウッドレコードというCD、レコード、バンドグッズを販売するレコード店を経営している。

なんとビックリなのが、ハリウッドレコードでは、へヴィメタル、ハードロックに拘らず、ヒップホップ、パンク、レゲエ、クラブミュージックと多岐に渡る音楽を展開している。

スラッシュメタルにスライドギターなんて普通ではないし、トーキングモジュレータ―なんてもってのほか。笑

ところで、「トーキングモジュレータ―」のことを知らない方もいると思うので、少し紹介しよう。

先述の通り、ギターの音と人間の歌い声を合体させるのだが、やはりどんなサウンドか実際に聴いてもらうのが一番であろう。

アメリカはボストンが生んだ巨大なハードロックバンド。

AEROSMITHの”Sweet Emotion”

この冒頭の、独特な歪みを持った音がトーキングモジュレータ―。

Aerosmith – Sweet Emotion

彼らと同郷、ボストン出身のファンクを巧みに織り交ぜたハードロックバンド、Extremeの”No Respect”

Extreme – No Respect live at Jon Stewart

これまたアメリカのバンド、BON JOVIを代表する2曲。

”livin’ On A Prayer”と”It’s My Life”は、このモジュレータ―のリフで作られている。

動画の演奏シーンで、ギタリストの口元をよく観てもらえば分かる。

Bon Jovi – Livin' On A Prayer – Live From London 1995
Bon Jovi – It's My Life

調べてみると、トーキングモジュレーターは、意外とポップやロック系でも使われているようだ。

しかし、このサウンドは、少しでもミスしたらおとぼけになってしまう。また、コツを掴むまでにけっこう時間かかるらしい。

これを使いこなし、まさかのへヴィメタルな楽曲に使用するという発想が見事。

このような、他のバンドでは見受けられない遊び心は、やっぱり信念と自信があればこそだろう。

「他がなんと言っても、やりたいことをやったる!」という心意気。

さて、長々とDirty Thirtyの魅力を語ってきたが、今回はこのへんで締めよう。

次回は、期待の新作リリースの時だろうか。

もうずいぶん長く曲作りをやっている、というその新作の全貌がまもなく発表されることを期待したい。

ただ、この11月のショーを観る限り、傑作に間違いない。

「1stとは異なり、へヴィメタルの様式美がもう少し強めな、しかし男の美学が光る曲が出揃うのでは?」というのが、僕の予想。

早く聴きたいが、それはバンドのこと。僕がとやかく言うものではないので、その時をゆっくり、じっくり、楽しみに待つことにする。

加えて、1stアルバムのアートワークが絶妙にカッコえぇことも書いておきたい。

  •  都市と工場の煙、四日市の街。
  • それを嘲笑うかのように、へヴィメタルのメロイックサインでビール瓶を掴み、一気呑み。
  • ちょっとした汚れ具合は、レコードの紙ジャケをイメージしたモノ。

「不良」っぽさを感じる、アメリカのコミックタッチなこのイラストも秀逸。

ということで、2ndはアートワークも楽しみかな?

自分たちの好きな道を究めた、仲間思い4人組のおっさんサウンド。

キャリアを重ね、円熟味を増し、渋みはどう表れるのか、乞うご期待!

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コメント

  1. tenjirou8989 より:

    初めましてテンジロウと申します。DIRTY THIRTY惚れました。早速CD買います。

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